
外壁塗装。
それは大切なご自宅の美しさを保つだけでなく、建物内部の劣化を防ぐためにも重要なものです。
しかし「外壁塗装っていったいいくらぐらいするものなの?」
「その費用ってどうやって決まるの?」「信頼できる業者をどう選べばいいの?」など、疑問や不安がある方も多いでしょう。
外壁塗装について知りたい方、これから外壁塗装を考えている方、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の基礎知識
外壁塗装の目的や寿命、再塗装のタイミングなど、外壁塗装の基本的な知識について詳しく解説していきます。
外壁塗装の目的
外壁塗装の目的には大きく「美観」「保護」「機能付与」の3つがあります。
まずは「美観」です。
外壁は劣化していく中で、汚れや、チョーキング(塗膜表面の樹脂や顔料の初期劣化)、変色・退色が発生しますが、外壁塗装を施すことによって見た目の美しさが保たれます。
次に「保護」です。
外壁の塗膜が劣化すると、建物内部への雨漏りや、内部の腐食など、深刻なダメージが発生するため、住宅を守るために塗装を行うのです。
また、外壁塗装によってこのような問題を防ぐためにも、適切な時期に再塗装が必要となってきます。
最後に「機能付与」です。
これは塗装によって外壁に新たな機能を付与できるのです。例えば、防水性や防汚性、防カビや遮熱などを高めるための塗装が該当します。
外壁塗装の寿命と再塗装のタイミング
一般的に、戸建て住宅の耐久年数は約30年と言われています。
しかし、外壁の塗膜の耐久年数は、一般的に住宅そのものの耐久年数よりも短く、通常7年から10年程度となります。
それでは、再塗装のタイミングはいつになるのでしょうか。
結論として、再塗装のタイミングは新築から10年程度が一つの目安となります。
しかし、塗膜の劣化状況や住宅の環境などにより、再塗装のタイミングは変動します。
定期的にチェックを行い、適切なタイミングで再塗装を行うことが大切です。
外壁塗装の費用相場
外壁塗装の費用相場は何を基準に決まるのか、具体的な金額はどの程度なのかについて、説明していきます。
また、外壁塗装が値上がり傾向にあることにも触れていきます。
外壁塗装の費用相場は?
外壁塗装の費用は、様々な要素によって変動します。
その中でも大きな要素となるのが「建坪」です。
建坪とは、建物の床面積のことを指します。
依頼する業者や使用する塗料の種類によっても異なってきますが、一般的には、建坪30坪の戸建て住宅の場合、外壁塗装の費用相場は約120万円から140万円とされています。
ちなみにこれは、屋根の塗装を含まない場合の金額ですので、屋根を含む場合の外壁塗装は120万円前後~の費用が相場です。
ただし、外壁塗装はさまざま要因で費用が変動しますので、複数の業者に見積もりをとることをおすすめします。
外壁塗装の費用の内訳
外壁塗装の費用は約120万円から140万円(外壁のみの場合)とお伝えしましたが、実は依頼する業者や塗装の規模などによって費用が変動するのです。
また、費用は大きく4つの項目に分かれ、その内訳はおおむね以下のようになります。
項目 | 内訳 |
---|---|
塗料代(材料費) | 約20% |
足場代 | 約20% |
人件費 | 約30% |
利益なども含む運営費 | 約30% |
値上がり傾向にある塗料
近年の世界情勢の影響により塗料の原材料価格が高騰し、また、原油価格の上昇により運送コストも高くなっています。
このような背景から、複数の大手塗料メーカーが2022年以降、相次いで塗料の値上げを発表しました。
値上げ幅はメーカーや塗料の種類によりますが、5%から40%程度といったところです。
外壁塗装の費用を決める要素
外壁塗装の費用を決める要素は様々ですが、大きく以下の5つの要素が挙げられます。
- 塗料の種類
- 外壁の種類
- 外壁の劣化状況
- 建物の建坪や形状、階数
- 施工業者
塗料の種類
塗料の種類は外壁塗装の費用を大きく左右します。
外壁塗装に用いる塗料は、塗料の種類によって耐久年数(耐久性)が変わる傾向があり、耐久年数が長いほど費用も高くなるのです。
塗料の種類を耐久年数の短い順にあげていくと、アクリルシリコン樹脂系塗料、ラジカルシリコン樹脂塗料、ハイブリッド無機系塗料、ハイブリッド無機フッ素樹脂系塗料などがあります。
また、アクリルシリコン樹脂系塗料は戸建て塗装の約7割で使われていますが、耐久性の低さから使用しないケースも存在するのです。
そして、雨樋やエアコンダクトカバー、シャッターBOXなど、鉄部・木部用樹脂の塗装には、一般的にウレタン塗料やシリコン塗料が使われます。
塗料の種類を選ぶ際には、その耐久年数と費用を比較しつつ、納得のいくものを選ぶのがおすすめです。
外壁の種類
外壁の種類によっても費用が変動します。
例えば、サイディングやALC外壁の場合は、塗装の前に目地(シーリング/コーキング)のメンテナンスが必要となり、その分の費用がかかる傾向があるのです。
一方、モルタル外壁の場合は目地がない場合も多く、目地のメンテナンスの費用がかからないという特徴があります。
外壁の劣化状況
外壁の劣化には、汚れ、チョーキング、変色・退色、シーリング(コーキング)の劣化、塗膜の浮き・素材の露出、窯業サイディングと吹付の劣化などがあります。
劣化の種類によっては、補修せずに塗装を進めてしまうと、その箇所から外壁内部の腐食などが進行し、補修や再塗装などの必要が出てくるのです。
そのため、外壁が傷んでいれば補修作業が必要になり、その分、補修費用がかかります。
外壁の劣化状況により補修作業の内容や費用が変わりますので、外壁の状態をよく確認し、適切な対策を講じることが大切です。
建物の建坪、形状と階数
塗装の面積が増えるほど、必要な塗料の量は増えるため費用が高くなります。
そのため、建物の建坪、形状、階数も外壁塗装の費用に影響を与えるのです。
ちなみに外壁の面積は一般的に、住宅の建坪を1.2倍した数値とされています。
例えば、建坪30坪の戸建て住宅の場合、1坪を3.3平方メートルとして計算すると、塗装面積は以下のようになります。
塗装面積=30坪×3.3×1.2=118.8平方メートル
また、形状が複雑になれば、塗料の面積も増えます。
同じ建坪であっても、家の形状がL字型の場合、正方形の形状と比べて約1.3倍の壁面積となるのです。
なお、塗装する階数が増えると足場代もかかる傾向にあります。
施工業者選び
外壁塗装を施工する業者選びも費用に影響を与えます。
外壁塗装を施工する業者は、「ハウスメーカー・工務店」「塗装専門業者」「農協・ホームセンター」などさまざまです。
それぞれの業者には、費用や専門性などで一長一短がありますが、おすすめは塗装専門業者です。
塗装専門業者は、専門的な知識と技術を持っているため、確かな仕事をしてくれることが期待できます。
支払いのタイミング
外壁塗装の費用をどのタイミングで支払うかは、業者によって異なります。契約前には必ず確認をしましょう。
ここでは、支払いのタイミングとして、以下の3つをご紹介します。
- 着工時全額前払い
- 着工時半金完了後半金
- 完了時一括後払い
着工時全額前払い
外壁塗装の着工時、もしくは着工前に全額を前払いする方法です。
しかし、全額前払いをしたあとに業者と連絡がつかなくなったというトラブル事案も報告されています。
このような事態を避けるためにも、信頼できる塗装業者を選ぶことが重要です。
着工時半金完了後半金
着工時半金・完了後半金という方法は、外壁塗装の着工時に半金を支払い、作業が完了した後に残りの半金を支払うというものです。
この方法と後述の「完了時一括後払い」が、一般的な支払い方法となっています。
完了時一括後払い
完了時一括後払いは、その名の通り、外壁塗装の作業が全て完了した後に一括で費用を支払う方法です。
業者によっては、この方法を推奨しているところもあります。
信頼できる塗装業者の選び方
外壁塗装は大きな費用がかかるだけに、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
では、どのように業者を選べばよいのでしょうか。
ここでは、信頼できる業者の選び方として、以下の5つをご紹介します。
- 時間をかけた現地調査
- 詳細な見積もり
- 妥当な足場代
- 根拠のある低価格
- 保証の付帯
時間をかけた現地調査
外壁塗装の業者を選ぶ際は、見積もりの前後に行われる現地調査(点検)が時間をかけて行われているかどうかを確認しましょう。
現地調査(点検)はおおよそ1時間前後です。
現地調査に訪れない業者や、専門知識のない営業などが対応する業者には注意しましょう。
詳細な見積もり
詳細な見積もりを提出してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
「一式」という表記を多用したり、大雑把な品目の見積書は注意が必要です。
費用の内訳が明確になっていないと、後々トラブルになる可能性があります。
工事項目を明朗に記載した見積もりの方が安心できるというお客様も多くいらっしゃるでしょう。
妥当な足場代
足場組みは、国家資格である足場の組立て等作業主任者が現場に必要であるほど、専門性が高く、外壁塗装の工程の中でも重要なプロセスです。
足場組みにはそれなりのコストがかかりますが、「足場代が無料」といったキャンペーンなどが行われることがあります。
しかし、本来足場はそれなりのコストが発生しますので、妥当な足場代を請求される企業が一般的です。
根拠のある低価格
塗装には低価格や良心価格をアピールする企業が多いですが、なぜ低価格なのかしっかり説明できているでしょうか。
お客様に低価格である理由を説明できないよりは、低価格にできる根拠を説明できる企業の方が安心して利用できるでしょう。
低価格でサービスを提供できる理由としては、広告費を抑えている、塗料の仕入れを工夫している、効率化など企業努力で低価格を実現しているケースがあります。
保証の付帯
塗装会社の中には保証を受けられる企業もあります。
例えば、自社保証や保証保険といった仕組みでお客様に保証を提供しているのです。
自社保証であれば、外壁塗装が著しく剥離や破損したときに保証が受けられます。
詳しくは各企業の担当者にお問い合わせください。
但し、自社保証のみの場合、内容が不明瞭で、事業者が倒産してしまった場合などに、「保証されない」というリスクがあります。
そのため、第三者機関(保険会社)の保証も付帯されている業者の方が安心です。
塗装して終わりではなく、その後の保証内容も充実している塗装会社の方が安心できるという方も多数いらっしゃいます。
住まいを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
その中でも、外壁塗装は特に重要な役割を果たしますが、塗料選びや業者選びで工事費用は変動します。
そのため、外壁塗装やその費用相場についての知識を持つ信頼できる業者に依頼して、適切なタイミングで外壁塗装を行いましょう。
外壁塗装をお考えの方はビセンリフォームに、お気軽にお問い合わせください。
見積もり費用が気になる方は、ぜひご活用ください。
ビセンリフォームでは奈良県の地域に限定させて頂いております。
リフォーム工事は、建設業ですがサービス業として捉えています。
限定した地域、目の届く範囲でサービスを提供し、お客様とも生涯お付き合いできる関係を築いていきたいと考えております。
その他ご不明点等ありましたらお問い合わせだけでもご気軽にご連絡ください。

