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リノベーションのメリットとデメリット

近年、既存の建物を大規模に改装し、性能の向上や価値を高めるリノベーションが注目を集めています。
しかし、リノベーションのメリットだけが語られる傾向にありますが、実際には良いこと尽くめばかりではありません。リノベーションのデメリットを理解していなかったばかりに思いもよらないことにつまずいてしまうこともあります。
ここでは、リノベーション検討の際の参考にしてもらえるように、自由に設計できるなどのメリットから、新築に比べて住むまでに時間がかかってしまうなどのデメリットを紹介していきます。
メリットとデメリット両方を十分に理解したうえでリノベーションを検討しましょう。

リノベーションのメリット

リノベーションが注目を集めているのは、それなりのメリットがあるからだと考えられます。よく言われているリノベーションのメリットとして、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

自由に設計できること

そもそも、人が住まいに合わせて生活するのは間違っているように思えます。本来は、住まいが人に合わせて変化するのが自然なことです。
リノベーションは、自分の洋服を自分の好みで選び組み合わせるかのように、自分のニーズに応じて自由に自分らしさを表現することができます。住まいに対するイメージは人それぞれ異なり、世界で1つしかない住まいが誕生します。
既存のマンションや建売住宅なら、どれも似たり寄ったりで無難な内装になってしまっていることが多く、内装に強いこだわりがあり、自分好みの内装を選びたいという方にはリノベーションがおすすめです。
間仕切りがない広々としたリビングにしたり、システムキッチンを設置したりなど、既存の住まいでは味わえない、自分だけのライフスタイルを演出することができます。

物件の選択肢が増えること

自分が希望する居住エリアで希望通りの新築の戸建やマンションを探すのには大変苦労するかと思います。特に都心部では、多くの方が希望する新築の戸建やマンションが見つからずに、当初の条件に対して妥協してしまっている傾向があります。
リノベーションを前提とすれば、中古の戸建やマンションを購入することとなり、新築と比べより安い予算を設定できるため、立地の選択肢が大きく広がります。限られた開発プロジェクトの中から選ぶ新築と違い、住みたいエリアの駅から徒歩5分以内や、閑静な住宅地や水辺で暮らしたいなど細かな環境の条件を満たす戸建やマンションを探し出せる可能性があります。
また、間取りや内装、設備機器が条件を多少満たしてなくても、新しく変えてしまうため、あまり気を使う必要はなく、エリアや立地さえ条件を満たせればよいという部分もあるため、対象となる戸建やマンションの範囲を増やすことができます。

新築を建てるよりもコストをおさえることができること

同じ条件のもと、新築を購入する場合の費用と中古を購入してリノベーションする場合の費用を比較すると、中古を購入してリノベーションする費用の方が、20%~30%程安く済むことが多くあります。
中古物件の価格にもよりますが、新築よりも安い費用で理想の住空間を手に入れることができます。
また、新築の戸建やマンションの価格は、新築後15年間で大きく下落し、その後は景気に応じて緩やかに上下するようです。そのため、築20年以上の戸建やマンションを購入することで、購入後数年で市場価格が大きく下降するリスクを避けることもできます。

リノベーションのデメリット

では、次に、リノベーションのデメリットとして、以下の3つが挙げられます。これらのデメリットもしっかりと把握しておきましょう。

築年数が長いために耐久性に不安がある可能性があること

中古の戸建やマンションを購入する場合には築年数に注意する必要があります。なぜなら、建築基準法の改正により基準が引き上げられたり、昔は今のように管理について厳しく言われていないこともあり、見えないところは手を抜いて工事をされてしまっていることもあり、耐震性が現在の法律の基準を満たさなくなってしまっている場合があるためです。そのため、現在の耐震基準を満たすように性能を上げようと、別途、耐震改修などが必要となり、逆にかなりの費用がかかってしまい、せっかくのコストをおさえることができるというメリットを活かせなくなってしまいます。
特に、1981年6月に耐震基準の大幅な見直しが行われたため、それ以前に建築確認を受けているかが1つのポイントになります。ただし、以前の基準でしか建築確認が行われていなかったとしても、建築基準法の改正を見越して新たな基準で設計されたものや、そもそも基準よりも高いレベルで設計されたものもありますので、不安を感じる方は専門家に見てもらうのがよいかもしれません。

住むまでに時間が必要であること

中古の戸建やマンションをただ購入する場合には、住みたい戸建やマンションを探して購入し、引き渡しが行われ住むのが一般的ですが、リノベーションの場合には、引き渡しまでの間に、建物検査、設計、施工などの作業が加わります。
さらに、コンセプトやイメージに強いこだわりがあると、建築士との打ち合わせなども十分に必要であり、結果として完成させるためには大変な時間がかかってしまいます。理想の住まいにするためにも建築士との打ち合わせはじっくりとすべきであり、忙しくて打ち合わせの時間が十分に取れないという方や一刻も早く住み替えたい方には、適切ではありません。

ローンの金利が高くなる傾向があること

中古の戸建やマンションを購入しリノベーションを行う場合に、ローンを利用しようとすると、リノベーションの費用には一般の住宅ローンが利用できないため、住宅ローン以外に、別途、リフォームローンを利用する必要があります。リフォームローンは金利が一般の住宅ローンよりも高い傾向があるため、総じてローンの金利が高くなります。さらに、購入後に工事がはじまるため、工事の間の家賃など二重払いが発生する場合もあり、資金計画をしっかりと立てる必要があります。
なお、リノベーション済みの戸建やマンションの購入であれば、住宅ローンのみで済むため、リノベーション済みの戸建やマンションも選択肢の一つとして検討してみるのもよいかと思います。