キッチンの増設ってできるの?
二世帯住宅を検討する中で、敷地内に「離れ」を建設したらお互いのプライバシーを守れる、と考える人もいるでしょう。しかし建築基準法には「敷地の過分不可分」という考え方があり、1つの敷地内に同じ用途の建物を複数建築してはならないことになっているのをご存知ですか。そのためキッチンやトイレ、浴室を伴う離れは独立して生活可能な住宅とみなされ、敷地内に建築することはできないのです。
しかし自治体によってはキッチンだけ離れに設置しトイレや浴室は母屋を使う、といった間取りなら、単独で住宅としての機能を満たしていない、と判断され建築できることもあります。
もし敷地内に独立した2つ建物を建てそれぞれ生活できるようにしたいなら、敷地を分割しなければいけません。ただし、それぞれの敷地は2m以上の道路に接していないといけない(接道義務)などの要件があり、また建ぺい率や容積率などでも基準を満たしているか確認が必要です。
また敷地を分配できないときは、母屋と離れを渡り廊下でつなげて一棟にする方法もあります。ただしこの場合は、母屋が耐震基準などを満たしていないと離れの新築時に改修を求められるので注意しましょう。
増築してスペースを広げるか、離れを建てるかは敷地面積や生活の状況に合わせてよく考える必要がありそうです。
狭いデッドスペースに増設でミニキッチンを設置
ミニキッチンとはシンクやコンロ、換気扇、食器棚などがコンパクトにまとまったシステムキッチンの小型版で、簡単な料理をするには十分な設備です。そのため独身用のワンルームや事務所だけでなく二世帯住宅にもよく設置され、親世帯と子世帯で台所を分けるために重宝されています。
たとえば同居して基本的には一緒に食事する、ということでも、起床時間が違うため朝食だけは別々に作りたい、といった希望を叶えてくれるのがミニキッチンです。スペースに余裕がないときは畳一畳分程度を増築したり、押し入れやクローゼットの部分を利用したりして設置することもできます。
2つ台所を作る余裕はないけれど、ちょっとした料理ができる場所はそれぞれ欲しい、というときにはミニキッチンの設置を検討してみましょう。
同居のため2階を増築してキッチンを設ける人も
一方で同居を始める際、ミニキッチンではなく本格的なキッチンを増設したいという希望も多いものです。また、同居を進める中で食事を別々にとることが多くなり、ミニキッチンを通常のキッチンに変えたい、という要望も増えてくるようです。
自由に使えるキッチンとダイニングスペースがあれば、子世帯が友人を呼んで食事したり、夜遅い時間でも料理できたりお互いに気兼ねすることが少なくなるでしょう。実際、子世帯が暮らす2階部分を増築し、キッチンを設置するケースがよくみられます。
ただしキッチンのために増築する際は水道の配管や換気システムに気を配りつつ、容積率や建ぺい率など法的な問題もクリアにしなければいけません。2階をどのように増築するかはリフォーム会社に相談しながら、計画を立ててみましょう。