フローリングの重ね張りとは
フローリングのリフォームをする際に重ね張り工法というものがあります。
これは既存のフローリングの上に新しいフローリングを文字通り重ねて張っていく工法のことです。
施工がしやすいことや、フローリングの張り替えに比べて費用を抑えられることからフローリングリフォームの際には必ず候補に挙がってくる工法といえます。
フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?
ではこの工法のメリットやデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
まずは、フローリングの重ね張りリフォームのメリットから見ていきましょう。
費用
重ね張り工法では既存のフローリングをはがさずに重ね張りをします。
そのため、解体工事をする必要がありません。
また解体によって発生するゴミもありません。
ですから、解体費や処分費が必要なくなります。
解体や処分がないとそれに伴って人件費も安くなります。
全体として施工費が抑えられるという利点があります。
時間
施工にかかる時間が短いということも利点の一つです。
重ね張り工法では8帖程度までの広さの部屋であれば多くの場合は1日で施工が終わります。
フローリングの張替えの場合は1日では終わりません。
周囲への影響
施工時の騒音が少ないという点も利点として挙げることができます。
マンションにお住まいの方はリフォームの際にも施工時の発生音などで近隣住民へ気を遣われることでしょう。
特に床のリフォームをする時には大きな音が発生しやすいものです。
フローリングの重ね張りでは、この施工時の騒音をかなりの程度抑えることができます。
これは解体工事がないためです。
既存の床の上に両面テープや接着剤で張っていきますので、騒音は極めて少ないものとなります。
床のリフォームですので、もちろん部屋の雰囲気は大きく変わります。
まるで新しい家に引っ越したかのように感じます。
これは1番の利点とも言えます。
フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?
重ね張り専用の材料の種類も増えており、表面柄や素材を選ぶことができます。
高級感のある材料が多くありますので、このリフォームには多くのメリットがあると言えます。
重ね張りのデメリット
次に、フローリング重ね張りのデメリットを見てみましょう。
段差が生じる
重ね張りでは既存の床の上にもう一枚床を張りますので、その分段差ができます。
これは重ね張りの欠点の1つです。
重ね張り専用フローリングの厚みは1.5mmというものから9mm程度のものまで幅広くあります。
リフォームを考えている部屋の敷居に厚みがあり、その厚みの中に重ね張りした床の厚みが収まってしまえば段差は生じません。
しかしながら、人間の足の裏は繊細ですので薄い材料を使ってもその部屋に入った瞬間に若干の違和感を感じる方もおられるようです。
これは人によって感じ方が違います。
気になられる場合には見積もりに来たリフォーム会社に材料の見本を置いてもらい、実際に踏んでみても良いかもしれません。
他の部分と干渉する
床が少し上がりますので、建具と床がすれてしまうことがあります。
部屋の扉やクローゼットの扉などが考えられます。
この場合、建具側の下部をすこし削らなければならなくなります。
フローリングを重ね張りするメリット・デメリットは?
また、床が上がった分だけ巾木の高さが低くなったように感じます。
薄い床材を使えばあまり気になりませんが、すこし厚みのある材料では違和感を感じる方もおられます。
部屋の雰囲気が変わってしまうこともありますので、デメリットといえます。
床下地の確認ができない
重ね張り工法での欠点には解体をしないため、床の下地の状態の確認ができないということも挙げることができます。
築年数が経過している家や湿気の多い部屋などは床下地も悪くなっている場合があります。
フローリングの張り替えでは下地のチェックまでできますが、重ね張りではそのチェックができません。
一度重ね張りのリフォームをしますとその後数年は床をはがすことはないでしょうから、もし悪い部分があった場合には重ね張りでのリフォームはデメリットとなってしまいます。
この点もリフォーム会社に相談して納得のいくリフォームをしましょう。
重ね張り工法で気をつけるべきこと
既存の床に重ねて床を張るので、既存床が動かない状態である必要があります。
どういうことかと申しますと、マンションでよく使われている遮音タイプのフローリングには重ね張りはできません。
遮音タイプのフローリングは裏にクッションが付いており、ふわふわと動くようになっています。
動いてしまいますと、その上に張ったフローリングも動いてしまいフローリング同士の連結が外れてしまいます。
また、床暖房が入っている際には床暖房対応の重ね張りフローリングを使う必要があります。
それでリフォームの際には自宅に重ね張りでの施工が可能かどうか、またどのような材料を使うべきなのかをリフォーム会社とよく相談しましょう。
上張り工法のメリットとデメリットをよく考慮して、後悔しないリフォームをしましょう。