屋根の種類
瓦(和瓦・洋瓦)
粘土を使った焼きものの屋根材です。
耐久性が高く、塗り替えの必要がありません。
厚みや重さがあるため、耐熱性、断熱性、遮音性にも優れた屋根材です。
他の屋根材と比較して重量が重いので、工事の際には耐震性を考慮する必要があります。
最近では、軽量化を実現した商品、遮熱タイプなどもみられます。
スレート(コロニアル・カラーベスト)
セメントに繊維材料を混合して強化した薄い板の素材です。
最も普及した商品名「カラーベスト」「コロニアル」で呼ばれることもあります。
色やデザインも豊富で、軽量かつ安価であることから普及してきた素材です。
最近では、表面の塗装の耐久性や耐候性を高めたもの、遮熱タイプなども。
表面に凹凸感をだし自然石の素材感を表現したものなどもみられます。
(以前は、アスベスト(石綿)を原料としていたものがありましたが、現在の商品には使用されていません。)
セメント瓦(プレスセメント瓦・コンクリート瓦)
セメントと砂を原料としたもので、プレスセメント瓦(厚形スレート)とコンクリート瓦に大別されます。
製造の方法によって分類することができます。
樹脂塗料で塗装を施したもので、施工性が高いのが特徴です。
衝撃にも強く、寸法精度が高いことも大きなメリットです。
一般的にセメント瓦の耐用年数は30年前後と言われています。
早めに塗り替えることによって寿命を延ばすことができます。
金属屋根・トタン
トタンというのは亜鉛メッキ鋼板のことをいいます。
トタン屋根の最大のメリットは、雨漏りしにくいという点。
しかも軽量で安価であるため、以前はトタン屋根を選ぶ方が多かったようです。
反面、サビが発生しやすく、断熱性能がないので室内の温度も上がりやすく、夏場は空調費用がかさむという難点もあります。
そのため、近年ではトタン屋根を選ぶ方は減ってきているようです。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る、アルミ亜鉛合金めっき鋼板です。
アルミニウムの特徴である耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、従来の鋼板よりも、さらに耐久性に優れ、あらゆる用途に対応できる画期的な鋼板です。
自然石粒付ガルバリウム(ジンカリウム鋼板)
ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板とは、名前の違いのみで、製品は同じものです。
同じ製品ですが、使っている商品名(商標)が違います。
表面が細かい石粒(砂状)でコーティングしてあるので、雨が拡散され、雨音が気になりません。
基本的に再塗装は不要です。
厚さは、ガルバリウム鋼板とあまり変わらないので、断熱材が必要になることもあります。
ステンレス
ステンレス屋根はサビにくいので、海岸近くの住まいでも安心して利用できます。
耐久性が高く、軽量なので耐震性にも優れています。
屋根に使われるカラーステンレスは表面が塗装されていますので、経年劣化で色あせが生じます。
素材自体はよほどのことがない限り腐食しないので美観を気にしなければメンテナンスは不要です。
他の金属屋根と比べるとかなり高価なため、一般住宅ではあまり普及していません。
銅
銅板屋根の場合、銅の厚さによって耐用年数が変わります。
0.4mm程度の厚みや下地をしっかりと施工すれば、100年以上もつと思われます。
銅は緑青(ろくしょう)が出て、緑色に変色してしまうと、それ以降大きな変化はなくなり、かなり長持ちします。
ひと昔前には銅板の屋根は一生ものと言われていましたが、銅板屋根に穴の空く事例が多数見られます。
酸性雨がその原因と言われています。
アスファルトシングル(グラスファイバーシングル)
以前はフェルト紙にアスファルトを浸透させていましたが現在では、不燃布やグラスファイバー(ガラス繊維)基板にアスファルトをコーティングし、表面の保護、傷にならないように細かい石粒(砂など)をその上に施しアクリル樹脂などで固定させた屋根仕上げ材です。
アメリカの住宅では80%以上に屋根に施工されていると言われています。
陸屋根(ウレタン防水・シート防水・FRP・アスファルト防水)
陸屋根は、勾配がほとんどなく屋上部分がほぼ平面状になっている屋根のことです。
近年では、戸建住宅でも陸屋根構造の建築物が増加しており、陸屋根部分を活用した屋上庭園や太陽光発電のソーラーパネルを設置した戸建住宅が多く見られるようになりました。
陸屋根は、屋上スペースの有効活用、メンテナンスが容易、建築スペースを広く確保できるなどのメリットがあります。
雨漏りを防ぐ防水工事には色々な工法があります。
概ね10年程度で点検やメンテナンスをおこなうことによって被害や改修費用を抑えることができます。