外壁タイルの特徴
タイルのメリット
タイルは、全般的に耐水性、耐火性、耐久性に優れた素材です。
中でも、天然石や素焼きのもの以外の釉薬(ゆうやく、うわぐすり)がかかったものは、加熱処理によって強力なガラス質被膜が形成されます。これによって吸水性・吸湿性が抑えられ、変形や割れやカビ・コケが生じにくくなるため、非常に耐久性が高いのが特徴です。
さらに最近では抗菌・防汚加工されている外壁用タイルも多く販売されており、雨水によって汚れを洗い流すなどの特殊効果が施されているため、メンテナス性に大変優れています。
このメンテナンス性の部分に関して言えば、その他にも数ある外壁材と比較しても、タイルは特に高いといえるでしょう。
また、タイルの持つ自然な美しさは、建物の外観に高級感を生みだし、総タイル張りの外壁は、見る人を圧倒します。そのため、家づくりにこだわりを持つ方に特に人気があります。
タイルのデメリット
価格が高価であることが挙げられます。
タイルは重量のある素材であり、製造や運搬にコストがかかりますし、基本的に1枚1枚高さや間隔を揃えて張り上げるため、設置に大変な手間がかかるという事も価格が高価になる要因です。
また、タイルは比較的重量の大きな部類に入ります。このため特に柔軟性のある木造住宅においては揺れの影響で目地割れ(タイルとタイルの間の継ぎ目の割れ)や剥離が生じ易く、高い施工精度を必要とすることもデメリットといえます。
このほかにも、熱伝導率と熱容量が高いため、夏場は暑さを、冬場は寒さをもたらしやすいという難点もあります。
さらに、現場でカットなどの加工を行うことができないため、タイル職人の技術力により仕上げの差が出やすいこともあります。
費用について
イニシャルコストは他の素材よりも高額になる
まずは最初に費用としてかかる「イニシャルコスト」を見ていきましょう。
現在、主に外壁に使用されている素材は、「サイディング」と呼ばれる、セメントと繊維質を混ぜて板状に加工したものです。また、昔ながらの外壁の仕上げには、漆喰や土壁、セメント、モルタルなどの「左官仕上げ」も利用されます。
これら素材とタイルの外壁をイニシャルコストで比較すると、タイルの方が大幅に高額になります。
タイルはその他の仕上げより2倍程度コストが割高になっています。タイル1枚あたりの大きさによって施工に必要な手間が変わり、小さく軽量な方が割安です。
また、建物の大きさにもよりますが、初期費用としてはサイディングより100~200万円は高額になります。
ランニングコストはほぼかからない
よく「タイルはメンテナンスフリーである」という話を聞きます。確かにそれは間違いではなく、他の素材に比べると非常に長持ちすると言えます。特にタイルそのものは、施釉タイプ(釉薬が塗られた、表面がガラスの皮膜で覆われているタイプのタイル)であれば、ほぼノーメンテナンスと考えいただいて良いでしょう。
しかし、タイルの外壁に全くメンテナンスが必要ないのかというと、そうではありません。
ポイントは目地です。
タイルの張り上げの際には、基本的に硬質なセメント目地材が使用されます。すると、地震の揺れや、木造建築の経年変化などによって、クラック(ヒビ)が入ることがあります。
タイルの目地のヒビは、1箇所生まれるとどんどん目地に沿って広がっていき、悪化するとタイルの剥離につながります。
必ずしも定期的な修繕をする必要はありませんが、せめて定期的な点検はしっかりと行うようにしましょう。その点検で目地に異変が見られた場合は、悪化しないうちに修繕すると良いでしょう。