相見積もりの比較でやってはいけないこと
相見積もりでやってはいけないこととして、主に「業者に他業者の見積もり書を見せてしまうこと」「多くの業者に見積もりをお願いすること」「同一条件で見積もりを依頼すること」の3つが挙げられます。なお、見積もり書の内容だけではなく、打ち合わせなどで見えてくる業者の対応力や姿勢などにも判断基準にするとよいと思います。
3〜5社まで!多くの業者に見積もりをお願いするのは逆効果
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というわけではないですが、リノベーション費用を安くおさえようと、多くの業者に見積もりを依頼することがあるかもしれません。しかし、これはトラブルが発生する場合もあり、逆効果です。
なぜなら、見積もりを依頼するということは業者と打つ合わせを行う必要があるということであり、多くの見積もりを依頼すれば、それだけ打ち合わせに時間が必要になります。多くの打ち合わせを行えば、依頼内容にばらつきがでてくる可能性もありますし、余裕がなくなり、内容に混乱してしまい、打ち合わせ時に漏れが生じてしまうことがあります。 そのため、欲張らず、3~5社程度に業者をおさえ、各業者と時間をかけ、しっかりと打ち合わせをしたほうがよいと思います。
値引きばかりを行うと手抜き工事を行われる
相見積もりを行う際、値引き交渉だけを行うのは控えるようにしてください。先ほどお伝えしたように、工事の値段は、手抜き工事を行えば簡単に安くすることができるからです。
つまり、値引き交渉ばかり行うと手抜き工事を行われる確率が高くなります。リフォームの工事の費用は、数十万円~数百万円単位です。決して安い金額ではないため、「少しでも安くしたい」と思うのは仕方がないことです。
しかしながら、安さを求めたばかりにリフォームの質が下がってしまうのは、本末転倒ではないでしょうか。
リフォームの本来の目的は、「生活を豊かにしたい」はずです。値段を安くすることも重要ですが、本来も目的を忘れないようにしてください。
途中でリフォームプランを変更する
相見積もりを行う際、途中でリフォームプランを変更しないようにしましょう。先ほどお伝えしたように、同じ条件で見積もりを依頼しないと比較することができないからです。
たとえば、A社にトイレのリフォームの見積もりを依頼したと仮定します。
一方、B社に工事を依頼した場合には気が変わってしまい、トイレに加えて、お風呂のリフォームの見積もりを依頼してしまう場合、同じ条件で比較することができません。
相見積もりをとる目的は、見積書を比較することです。そのため、同じ条件でなければ比較することができません。もし、途中でリフォームのプランを変える場合は、今一度、新たに見積書を作成してもらうようにしてください。
見積もりの条件を統一しない
設備や建材の種類など詳細の条件を統一せずに、相見積もりをしてしまうことがあるかもしれません。しかし、これでは比較検討が適切にできず意味がありません。
なぜなら、メーカーや材質が違ったり、塗装の有無や種類の違いなどにより金額に大きな開きが発生してしまい、これでは本来の比較が難しくなります。プランニングの段階で、自分のリノベーションのイメージをしっかりとつくり、採用したい設備や建材の種類品目をきちんと整理して伝えておくことが大切です。ただし、金額よりも、自分にあった最適なプランを見つけたいというのであれば、基本条件だけを伝えて後は業者に自由にプランニングしてもらうほうがいいかと思います。
見積もり時に業者に確認すべきこと
見積もり時に業者に確認すべきこととして、主に「日付、押印、有効期間の確認」「「一式」の内訳の確認」「諸経費の施工全体の金額に占める割合の確認」の3つが挙げられます。見積もり書を受け取っても、確認すべき箇所を確認しておらず、後々になってトラブルになってしまうのも悲しいため、必ず金額以外も確認することをおすすめします。
日付、押印、有効期間の確認
基本的なところとして、作成日や、会社印や担当者印などが押されているかを確認する必要があります。ビジネス文書として基本の部分で当然できているべきところになりますが、意外とできてない業者も多く、その場合には工事などにおいても見えない箇所は雑に扱われることもあるかもしれないため、注意しておくとよいと思います。
また、見積もり書の有効期限にも注意が必要です。これは、創業日などキャンペーンによる一定期間内での割引や、材料費の変動により総額が変わる場合があるためです。材料費の変動の場合、有効期限として1ヵ月程度が一般的であり、極端に短い場合には、業者に確認した方がよいと思います。なお、最初の見積もり時に、キャンペーンで、いますぐ契約をすませるとさらに安くなりますというようなことを言ってくる業者には、大方、他業者との見積もり内容の十分な比較検討をさせないのが目的でしょうから、気を付けたほうがよいかもしれません。
「一式」の内訳の確認
見積もり書に「一式」しか記述されていない場合には注意が必要です。小規模の工事で、打ち合わせ、見積りを簡素化する場合に「一式」と記述されることが多いです。しかし、中規模大規模の工事や、設備や建材に特定の商品を採用する際に「一式」と記述されている場合や、数量や単価を明らかにできるにも関わらず「一式」と記述されている場合には気をつけたほうがよいと思います。なぜなら、悪徳業者であれば、極力、内訳を表記せず説明をすることは避けて、相場からかけ離れた安い金額を提示することがあるためです。
そのため、「一式」と記述されていた場合には、必ず工事箇所や仕上げ材、工法などの説明を求め、書面にしてもらうことを依頼することをおすすめします。その後で、あいまいであったり納得ができないようであれば、施工箇所や工事の範囲、追加工事などで後々もめごとになる可能性もありますので、そのような業者は避けたほうがよいかもしれません。
諸経費の施工全体の金額に占める割合の確認
諸経費とは、リノベーションにともなう細かな経費のことであり、業者の交通費、建材などの運搬費、現場監督費、粗利益などが該当します。
施工全体の金額の8~22%程度が相場であり、全体のバランスを確認して、総合的に判断することをおすすめします。なお、諸経費が8%以下で少ないからと言って親切でお得な業者であるとは一概には言い切れないため、その場合には注意が必要です。