高齢者のためのリフォームポイントを教えて!
年をとると、ちょっとした段差でつまづいたために転倒、そして骨折、または頭をうって大きな事故につながる可能性が高くなります。段差の解消や手すりのとりつけ、滑り止めなどが必要になってきます。
扉を選ぶときに気をつけることはありますか?
開き戸は身体を移動しながらの開閉動作を必要とするため、高齢者にはどちらかというと不向きです。引き戸のほうが危険が少ないといえます。また引き戸は手をかけやすい形状とし、吊り戸にするか、床埋め込みのレールにするか、段差をつくらない配慮をしましょう。
ドアノブを選ぶときもポイントがあるのでしょうか?
年をとると握力も低下するため、丸いドアノブはつかみづらく、使いにくくなります。ドアの握手は、使いやすいレバーハンドルがおすすめです。
お風呂のポイントは?
お風呂は最も事故が起こりやすい場所ですから、十分な配慮をするにこしたことはありません。広さとしては、介護可能なスペース(1坪以上)を確保しておくことが望ましいです。 また手すりの設置や、浴槽はまたぎやすい高さで、滑り止めがあるものにします。床も滑りにくい仕上げ材を選び、入り口には段差がなく有効幅 60cm 以上の引き戸か折れ戸にし、外から開錠できるようにしましょう。
キッチン
調理や後片付けなどキッチンの立ち仕事はなかなかの重労働なので、座ったまま作業ができる配慮が必要です。年をとると立ち姿勢が変わるので、流し台の下を少しくぼませておくと楽で、いすも使えます。流し台、調理台は身長に合わせて低めに。レンジ台は一般に流し台と高さを合わせていますが、鍋の中がのぞきにくくなるので、10cmほど低くします。
また、日常的に使うものは、手の届く範囲(高さが150cm以下)に収納するようにしましょう。
また、調理器具については、鍋のから炊きなど過熱を防ぐサーモスタット機能や消し忘れ防止タイマーが付いていることが大切です。ガスコンロ、電気式コンロなど、どのタイプのものを選ぶにしても、このような機能がついたものであれば、高齢者でも安心して使えます。
寝室
トイレの回数が多くなるので、寝室の近くにトイレが配置してあれば、寒い冬場や深夜でも移動が楽で安心です。足腰が弱くなった高齢者には、畳に布団を敷くよりもベッドを使用したほうが動作が楽になります。ベッドは車いすの使用や、介護のしやすさを考えて、足元、両サイドの3方向にはスペースを確保しておきましょう。また、照明やテレビ、冷暖房などの操作をベッドから行えるように、枕元にリモコンをまとめておくと便利です。緊急時の呼出しブザーがついていれば、さらに安心です。